骨折や脱臼を経験すると、治療と同じくらい重要なのが「リハビリ」です。しかし、「いつから始めればいいの?」「接骨院でどこまで対応できるの?」といった疑問を持つ方も少なくありません。この記事では、柔道整復師の視点から、リハビリ開始のタイミングや接骨院でできるケアについて、わかりやすく解説します。
骨折・脱臼後のリハビリはなぜ必要?
骨がくっつけば終わり…ではないのが、ケガの本当の回復。リハビリの目的と重要性をまず理解しておきましょう。
骨折や脱臼は、患部そのものだけでなく、その周囲の筋肉や関節にも大きな影響を及ぼします。長期間の固定により、関節の動きが悪くなったり、筋力が低下したり、バランス感覚が崩れたりするケースも少なくありません。そうした機能低下を回復し、「ケガをする前の状態」に近づけるのがリハビリの役割です。
リハビリには大きく分けて、①関節可動域の回復、②筋力の回復、③バランス能力・協調性の改善という3つの柱があります。また、日常生活やスポーツ復帰を目指す上では、④心理的な回復も見逃せません。痛みや不安感があると動かせなくなり、回復が遅れることもあります。
適切な時期に、適切な方法でリハビリを進めることが、再発防止や長引く不調を防ぐための重要なカギとなります。
リハビリはいつから始める?時期別の目安と注意点
リハビリの開始時期は、ケガの種類や重症度によって異なります。無理に始めるのは禁物ですが、タイミングを逃すのも回復を遅らせます。
一般的に、骨折・脱臼のリハビリは「治癒の段階に応じて段階的に進める」のが基本です。以下に、おおまかなフェーズとその目安をご紹介します。
- 急性期(受傷〜約1〜2週間) この時期は炎症や腫れが強く、安静と固定が中心です。基本的には患部を動かさず、痛みの緩和や血流改善を目的とした「受動的なケア」にとどめます。無理に動かすと悪化する恐れがあるため注意が必要です。
- 回復期(約2〜6週間) 骨がある程度くっつき始めた頃。可動域訓練やストレッチ、軽い筋トレなどを段階的に開始します。主治医や柔道整復師が経過を確認しながら、安全に配慮して負荷を調整していきます。
- 機能回復期(6週間〜3ヶ月) 日常動作に問題が出ないよう、実際の動作訓練や筋力強化、バランス・協調性の改善を図ります。特にスポーツ復帰を目指す場合には、競技特性に合わせた専門的なリハビリも必要です。
- 社会復帰期(3ヶ月〜) 就労や運動を再開する段階です。再発予防のための指導やセルフケアの習慣づけが重要になります。
※あくまで目安であり、実際の開始時期は医師や柔道整復師の判断に従ってください。
接骨院でできる骨折・脱臼後のリハビリ内容
接骨院では、国家資格をもつ柔道整復師が非観血的(手術を伴わない)リハビリや機能回復訓練を行うことができます。
平田接骨院でも、以下のような方法でリハビリをサポートしています。
- 関節可動域の調整 無理のない範囲で関節を動かし、拘縮や可動域制限を防ぎます。
- 筋力・バランスの改善訓練 患部に負担をかけないよう配慮しつつ、インナーマッスルや支える筋力の再構築を図ります。
- 微弱電流機器(エレサス・アキュースコープ)による組織修復の促進 痛みの軽減や治癒力の活性化を目的に、神経レベルへのアプローチができる電気療法を導入しています。
- 生活動作に即した動きの再教育 日常生活で無理なく動けるよう、立ち上がり・歩行・階段昇降といった動作単位での練習も行います。
- 自宅でできるセルフケア・ストレッチの指導 「来院時だけの回復」で終わらせないよう、継続的なケアの提案も重視しています。
接骨院リハビリと病院リハビリの違いは?
整形外科などの病院と接骨院、それぞれのリハビリには特徴があります。
病院では、理学療法士(PT)による器質的・医療的なリハビリが行われる一方、接骨院では柔道整復師が手技や物理療法を用いて、機能面・運動面の回復に重点を置くスタイルです。
また、病院は再診までの間隔があくことも多いため、接骨院でのこまめなケアを併用することで、回復のモチベーション維持やセルフケア継続がしやすくなるという利点もあります。
平田接骨院では、医師の診断や同意が必要な場合には連携しつつ、地域密着型でサポート体制を整えています。
リハビリを続けるうえで大切なこと
どれだけ適切なリハビリメニューを用意しても、「続けること」がなければ回復は進みません。
特に骨折や脱臼は、回復に時間がかかるぶん焦りや不安が生まれやすいものです。痛みや動かしにくさから消極的になってしまい、つい中断してしまう方も少なくありません。
しかし、関節や筋肉は「動かさないと固まる・弱る」という性質を持っています。小さな動きでも構いません。習慣として少しずつ続けていくことが、確実な回復につながります。
平田接骨院では、リハビリにおけるメンタルサポートや生活上のアドバイスも含めて、個々の状況に応じた無理のないプランをご提案します。
まとめ+お知らせ
骨折・脱臼の回復には、適切なリハビリが欠かせません。時期に応じたケアを行い、身体機能を元に戻すだけでなく、再発を防ぐ「予防」の観点も重要です。
接骨院では、柔道整復師の専門的な知見を活かしながら、機能回復と日常復帰に向けたリハビリを受けることが可能です。痛みや不安を我慢せず、ぜひ一度ご相談ください。
また、平田接骨院ではNASYU社のオーダーメイドインソールも取り扱っております。リハビリ後の足元のサポートや、再発防止にも役立ちます。必要な方はいつでもお気軽にお声かけください。
記事の監修者


平田接骨院 院長 平田健一郎(柔道整復師)
当院は、東広島に根ざした地域密着型の接骨院として、一人ひとりの「困った」に真摯に向き合っています。柔道整復師の国家資格に加え、インソールや運動指導に関する専門資格も取得し、的確な判断と施術を心がけています。最新機器を活用し、早期改善と根本ケアを両立。患者さまの生活の質を高めることを大切にしています。
保有資格・所属
- 国家資格 柔道整復師(厚生労働大臣認定)
- 公益社団法人 日本柔道整復師会 会員
- NASYU インソール ベーシックマイスター(2016年10月取得)
- NISAC SAQ(スピード・アジリティ・クイックネス)レベル1 認定インストラクター(2003年3月取得)