日常生活の中で突然起こるケガ。つまずいて足をひねった、ぶつけて腫れてきた、転倒して動かせない……そんな時、慌ててしまう方も多いのではないでしょうか。この記事では、応急処置の基本から、接骨院で対応できるケガ、整形外科への受診が必要なケースまでをわかりやすくご紹介します。
まず落ち着いて!応急処置の基本「RICE」とは?
ケガの直後に適切な応急処置を行うことで、腫れや痛みの悪化を防ぎ、回復までの時間を大きく短縮できます。とくに捻挫・打撲・挫傷(筋肉の損傷)などには、以下の「RICE処置」が基本となります。
Rest(安静)
患部を動かさず、負荷をかけないように安静を保ちます。動かすことで悪化するリスクがあるため、まずはその場で落ち着きましょう。
Ice(冷却)
氷や保冷剤をタオルで包み、15〜20分程度冷やします。冷却は2〜3時間おきに繰り返すのが効果的です。直接肌に氷を当てると凍傷の恐れがあるため注意が必要です。
Compression(圧迫)
弾性包帯やタオルでややきつすぎない程度に患部を巻き、腫れを抑えます。強すぎる圧迫は血流を妨げるので、注意して巻きましょう。
Elevation(挙上)
心臓より高い位置に患部を保つことで、血流による腫れを抑える効果が期待できます。足首や手首を痛めた場合にはクッションなどを使って高さを調整します。
このRICE処置は、ケガの種類を問わず初動対応として覚えておくと非常に有用です。
骨折や脱臼が疑われるときの対応は?
見た目に腫れや変形がある、動かすと激痛が走る、力が入らない――このような場合には「骨折」や「脱臼」の可能性があります。以下の点を守って対応してください。
- 無理に動かさない・戻そうとしない → 素人判断で関節を元に戻すのは非常に危険です。
- 固定する → タオルや雑誌、段ボールなどを利用して、できるだけ動かないように固定しましょう。
- 冷却する → 腫れや熱感がある場合には氷で冷やします。
- 速やかに受診する → 接骨院や整形外科へ。ただし、強い痛みで移動が困難な場合は救急車の利用も検討しましょう。
骨折・脱臼は、早期に専門家の判断を仰ぐことで、予後が大きく左右されるケガです。自宅で無理をせず、適切な判断を心がけましょう。
日常で起こりやすいケガとそのシチュエーション
ケガはスポーツ中だけでなく、普段の生活の中でも頻繁に起こります。以下はよくあるケースです。
- 転倒や段差でのつまずき(階段・浴室・玄関先など)
- 家具の角へのぶつけ・ドアに挟む(打撲・爪の損傷)
- 急な動きによる足首の捻挫や肉離れ
- 重い物を持った時のぎっくり腰や肩の挫傷
- 台所での切創・熱湯によるやけど
- 自転車・通勤途中での転倒や接触事故
こうした突発的なケガには「痛みがあるが病院に行くべきか分からない」「接骨院で診てもらえるのか迷う」という声が多く聞かれます。
接骨院で対応できるケガ・できないケガ
柔道整復師が対応できるケガは、外傷性で急性または亜急性のものに限られています。以下のようなケースでは、接骨院での応急処置や施術が可能です。
◯ 接骨院で対応可能なケガ
- 捻挫(関節をひねった・ぐねった)
- 打撲(ぶつけて腫れた・内出血した)
- 挫傷(筋肉や腱の損傷・肉離れなど)
- 骨折・脱臼の応急処置(その後は医師の診断・同意が必要)
痛みが強くなくても、「動きに違和感がある」「腫れがなかなか引かない」「踏ん張れない」といった症状は、放置せずに一度ご相談ください。
× 医療機関を優先すべきケース
- 明らかな変形・強い痛み・感覚麻痺がある
- 骨折・脱臼で整復処置(関節を元に戻す)が必要なとき
- 出血が止まらない、やけどの範囲が広い
- 頭部を打って意識がもうろうとしている
- 内科的疾患が原因と疑われる症状(発熱や吐き気を伴う痛みなど)
接骨院ではレントゲン撮影や医学的診断・手術・投薬は行えません。重症が疑われる場合は速やかに整形外科などの医療機関を受診しましょう。
応急処置後はどうする?来院の目安とその後の流れ
自宅で応急処置をしたあとでも、痛みや腫れが残る場合には接骨院での評価と施術を受けることをおすすめします。平田接骨院では以下のような流れで対応しています。
- 初診時の問診・視診・触診で状態を詳しく確認
- 必要に応じてアイシング・圧迫固定・テーピング・超音波や電気治療などの物理療法を行います
- 痛みの緩和や腫れの軽減にあわせて、リハビリや再発予防の運動指導を行います
- 骨折や脱臼が疑われる場合は、提携先の整形外科への紹介も行っています
また、通院中の患者様には、自宅での注意点や再発予防のセルフケアも丁寧に指導しています。症状の程度によっては数回の通院で改善する場合もありますので、無理をせずご相談ください。
まとめ 突然のケガ、落ち着いた初動が回復のカギ
突然のケガに遭遇したとき、すぐに動揺せず「RICE処置」で初動対応を行いましょう。応急処置後は、ケガの内容に応じて接骨院や整形外科など適切な専門家へつなぐ判断が重要です。
- ケガ直後は「安静・冷却・圧迫・挙上(RICE)」が基本
- 骨折・脱臼が疑われるときは固定して速やかに受診
- 接骨院は捻挫・打撲・挫傷などの応急手当と回復支援の専門家
- 重症例・診断が必要な場合は整形外科へ
大切なのは「自己判断で無理をしない」こと。
ケガの悪化を防ぎ、早期回復につなげるためにも、
症状が軽いうちに一度ご相談ください。
記事の監修者


平田接骨院 院長 平田健一郎(柔道整復師)
当院は、東広島に根ざした地域密着型の接骨院として、一人ひとりの「困った」に真摯に向き合っています。柔道整復師の国家資格に加え、インソールや運動指導に関する専門資格も取得し、的確な判断と施術を心がけています。最新機器を活用し、早期改善と根本ケアを両立。患者さまの生活の質を高めることを大切にしています。
保有資格・所属
- 国家資格 柔道整復師(厚生労働大臣認定)
- 公益社団法人 日本柔道整復師会 会員
- NASYU インソール ベーシックマイスター(2016年10月取得)
- NISAC SAQ(スピード・アジリティ・クイックネス)レベル1 認定インストラクター(2003年3月取得)